証券会社もストレスを感じさせない要因

かつての産業政策では、どちらかといえば外国企業の競争圧力に対抗するための保護や体質強化といった、受け身の発想が多かった。 産業政策とは、魅力的な製品を生み出す新しい産業ビジョンを提示し、補助金などによってその産業への技術開発を促進しようというものである。
もちろん公共部門が、当事者である民間よりも、将来の有望産業のことを知っているわけはない。 そのため、特に好況期には、このような政府主導の産業政策推進は、民間の投資をかえつてミスガイドする危険があり、避けた方がよい。
不況期には、民間企業に任せるだけでは、次の2つの理由で技術開発投資が過小になる傾向がある。 第一の理由は技術開発投資によって生み出される将来の収益予想は不況期には過度に悲観的になるということである。
もし、技術開発投資を行って、少し前の携帯電話のように人がほしがる製品を開発すれば、需要が増え、それによる株価の増大が経済全体の流動性を引き上げ、さらに需要を引き上げるという好循環を生み出す。 個の企業が技術開発投資を行うさいには、このような景気回復の好循環を通した収益増までは考慮されない。
第二に、各企業の技術開発部門の稼働率が好況期よりも落ちているならば、そこで余った人材や設備を活用するかぎりは、他に何の犠牲も生み出さないため、社会的コストはゼロである。 企業が実際にその人たちを雇えば、通常の賃金を支払わなければならない。
そのため各企業は、技術開発費用を社会的な実際の費用よりも高く評価することになり、社会的に見れば技術開発投資が過小になる。 これらの理由から、政府が新たな産業へのビジョンを積極的に模索し、技術開発投資を促進して、その企業化を助ける意味が出てくる。
そのさいには、将来ビジョンに関して、政府が自分で押しつけるのではなく、積極的に民間の意見を聞くことも必要であろう。 そのために、新規技術や新製品のアイデアーコンペを主催してもいいかもしれない。
また、技術開発を推進する人材の確保も必要である。 そのためには、創造性の高い理科系の人材教育投資に、予算を振り向けることも考えられる。

暗い未来のキャンペーンと拝金主義こうした視点でバブル期以降の政府の行動を見ると、わざとあべこべを行っているように見える。

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